拾いものは危険な恋のはじまりでした
「小春、愛しているよ」

にこっと笑みをうかべながら、私に覆いかぶさってきた。

片手で私の身体を締め付けるように抱き、もう片方で頬を撫でる

怖くて声も出せないまま身体はガタガタ震え目からは涙が溢れ出る

鞄の人は私の唇に自分の唇を強く押し付ける「好きだ」と言いながら

何度も何度も、逃げたくても力が強く全く動けない

唇は首筋をつたい、手が着ていたブラウスのボタンを引きちぎりながら

脱がしにかかる「・・イヤ、イヤ、ヤメテ!」必死になって声を出すと

“ガシャン!” 凄い音がしてドアが開いたかと思うと、私の上にいた

人がいなくなっていた。

すると、私を包み込む腕・・・ビクッと身体が反応する

「小春、大丈夫だ。遅れてごめんな」

「そ、奏さん・・・奏さんだぁ~ヒックヒック」

奏さんに抱き着きながら大泣きした

「司、そいつ連れていけ」「はい」

「小春、俺のマンションにくるか?」「はい・・ヒック」

「じゃあ、上着だけ着替えよう。な」「ヒック・・はい」

破かれたブラウスを脱ぎ、ニットに着替え奏さんに抱えられて部屋を出た

車の中でも私の嗚咽は続き、その間奏さんが肩を抱きよせながら、頭を

撫で続けていた
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