拾いものは危険な恋のはじまりでした
クローゼットに掛けられていた服は、どれも私でも知っているブランド

のものだった。白や薄いピンクの可愛いものから黒い大人っぽいもの

まで、驚いたのは下着も何枚かあり、白のレースや黒のちょっと際どい

ものまである・・・・。何故かサイズもぴったり。

何故、私のサイズを知っているのか・・・?

不思議に思いながらも、引っ越しの荷物を片付けていく。

ダンボール3箱の引っ越し整理はあっという間に終わり、リビングで

奏さんの淹れてくれたコーヒーを飲んでいた。

「後、ここで生活するのに足りないものはないか?」

「ん~、多分大丈夫そうですよ」

「そうか?遠慮なんてするなよ。小春は俺の女なんだし、我儘言っても

いいんだからな」

遠慮なんてしてないんだけど・・元々、あまり物を買うこともしないし

ましてやインドア派の私としては、家でゆっくり本でも見てる方が好きだ

でも、奏さんの女としては、服とかいろいろ気をつけていかないといけない

のだろうか?

「奏さん、私が奏さんの女になったという事は、身なりとか何か気をつけ

ないといけないことは、ありませんか?」

「あ、いや、小春はそのままでいいんだ」

「じゃあ、やっぱり大丈夫ですよ」

「そうか」


引っ越し当日はそんな感じで、ゆっくり、まったりと二人の時間を過ごした
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