拾いものは危険な恋のはじまりでした
組長さんの言う通り、極道の世界は私が思っている以上に怖い世界なの

かもしれない。奏さんと出会う前なら考えもしなかったこと・・・。

でも・・私は奏さんにあの路地裏で出会ってしまった・・・。

天涯孤独の上に何も取り柄のない私を、大事にし、愛していると強い

想いを私に伝えてくれる。そんな奏さんを、私はどうしようもないほど

好きになってしまった。

奏さんがどんな人であっても、誰に反対されたとしても、離れるなんて

できない・・・。そんな思いを胸に口を開いた

「私は、まだこの世界のことはよく分かりません。そして、親にも捨て

られなにも無い、こんな私を奏さんは大事にしてくれ、護ると言ってく

れました。実際、何度も助けられました。

そんな奏さんを私も好きになりました。私は、何があろうと、奏さんを

信じてついて行くだけです。離れる気はありません。」

あれ程緊張していたのが嘘のように、最後の方は、組長さんの目を真直ぐ

見て、この気持ちが伝わるようにしっかりした声で言っていた。

「雄大さん、いいんじゃないかしら。私は、小春ちゃんが気に入ったわ」

「あぁ、その目俺の知ってる奴にそっくりだ。意思の強さを感じた。

いいだろう、奏、お前たちの事認めよう。婚約者ということでいいか」

「あぁ、籍を入れる時期は二人で決めたいと思う。小春、いいか」

「は、はい・・」
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