拾いものは危険な恋のはじまりでした
私たちの事を認めてもらえた・・・目に涙がたまる。

「小春ちゃん、私のことは五月さんと呼んでね」

「小春、俺はお父さんな」

さっきの鋭い眼差しは消え、奏さんと同じ優しい目を向けてくれる

「はい、お父さん、五月さん、ありがとうございます。」

「小春ちゃん、これからは桐生組の若姐さんとしていろいろ覚えて

もらうようになるから、覚悟してね。」

「はい!頑張ります」

奏さんと顔を合わせ、微笑みながらこれからの生活に思いを馳せた。


今日は、夜に桐生組の人達に私たちの婚約を伝えるので、とりあえず

部屋で待つことになり、私は奏さんの実家の部屋に連れていかれた。

そこも、マンションと同じ黒で統一されたシンプルな部屋、奏さん

らしい。

奏さんは部屋に入るなり、後ろから抱きしめ、私の首元に顔を埋めながら

「小春、これでお前は俺のれっきとした婚約者だ。」

「はい、私は奏さんの婚約者です」

「幸せにする」

「はい・・」

そのまま、お互いの存在を確かめるように抱き合っていた。

コンコン

奏さんの部屋のドアが叩かれた

「兄貴、ちょっといいかぁ」

ドアを開け現れたのは、どことなく奏さんに似た茶髪のイケメンさんだった

「弟の楽(ガク)だ、小春の三つ上の23歳、組の若頭補佐をしてる」

「はじめまして、小春ちゃん。よろしくね。」

楽さんは、爽やかな感じの人、一見するとヤクザには見えない


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