拾いものは危険な恋のはじまりでした
奏さんはお父さん似で、楽さんは五月さん似だと思う。

「いや~、あの兄貴が婚約者って聞いてびっくりしたよ。

でも、こんな可愛いんじゃ、しょうがないかもね」

そう言った楽さんをギロっと睨む

「もうそんな睨まないでくれる!大丈夫、兄貴の婚約者に手はださないよ

小春ちゃん、また夜に会おうね。俺はこれで・・・」

焦ったように、そそくさと部屋から出て行った


「あの、奏さん、奏さんは二人兄弟なんですか?」

「あぁ、言ってなかったな、もう一人俺の一個上の姉貴がいる。

仕事が終われば帰ってくるから、その時紹介する」

「はい、楽しみにしています」

「小春、相談があるんだが・・」

「なんですか?」

少し言いずらそうに口を開いた

「仕事のことなんだが、これからお袋からも婚約者としていろいろ

教えてもらうようになるだろ。婚約者として危険も増す。

仕事を辞めてくれないか」

そうか・・確かにこれから今までのようにのんびりしてられないだろう

仕事に行くには護衛が必要だし、今まで以上に危険が増す・・・

「はい・・・分かりました。明日「花かつみ」に行ったときに話してみます」

「あぁ、そうしてくれ、悪いな」

「いいえ、私は奏さんと生きていくと決めましたから大丈夫ですよ」

奏さんは暖かい眼差しで私を見つめ、頭をポンポンと撫でた
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