拾いものは危険な恋のはじまりでした
コンコン

「若、そろそろ時間になります。」徹さんが部屋に迎えにきた

「あぁ」

奏さんは、私の腰を抱きながら徹さんの後に続く

徹さんが襖を開け、私と奏さんが中に入った。部屋は大きな座敷が

広がっており、多くの黒スーツやジャージの強面の人達が居並んで

いた。

逃げ腰でビクつく私の腰をしっかり抱き、前を歩く

用意された席は、お父さんと五月さんの隣・・・強面の顔と対峙した

「今日、お前達を呼んだのは、奏が婚約した。

小春だ、若姐になる。奏共々、全員で護れ!」

「「「「  はい!  」」」」

野太い大きな声が響く

「俺の嫁になる小春だ。これから、ここに出入りするようになる

皆、よろしく頼む!」

「「「「  はい!  」」」」

「奏さんと婚約しました、前島小春です。分からないことばかりですが

どうぞよろしくお願いいたします」

「「「「 よろしくお願いします! 」」」」

それからは宴会となった。

皆に認めてもらえるか不安だったが、皆優しく、温かく迎えてくれた

そして、皆一様に奏さんの私に対する態度に目を丸くして驚いていた

「若が笑ってる・・・」

「女と並んで座る若が見られるとはな・・・」

など、など・・・私には今の奏さんが普通なのに、皆は違うみたい

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