拾いものは危険な恋のはじまりでした
診察室から出ると、五月さんが待っていた。

「どうだった?」

「あ、あの・・・3か月で・・赤ちゃんが、妊娠してました」

「やったァ!早く帰るわよ!」

「は、はい」

組に戻ると、五月さんは私をソファーに座らせパタパタと走って行った

私はお茶を啜りながらエコー写真を眺めていた

暫くすると、玄関からバタバタと凄い音が聞こえてくる

「な、何事・・・」

スパンッ! 襖が勢いよく開けられ、焦った顔の奏さんが現れた

「小春!大丈夫か!」

「え!どうしたんですか?」

「お袋から小春が病院に運ばれたって・・・」

奏さんが私に近づき、わたしの手元にあるエコー写真を見た

「それは、なんだ・・・」

「あの・・奏さん、ここに座ってください。」

自分の隣に奏さんを座らせ、目を合わせた。

「奏さん・・あの、赤ちゃんが・・私、妊娠しました。」

「あ・・赤ちゃん・・・ホントか・・・俺と小春の赤ちゃん・・・」

奏さんは、驚きながらも私を抱き寄せ

「嬉しい・・ありがとう・・小春、幸せだ・・・」

ぎゅっと抱きしめた

「奏!籍を入れて、母子手帳を貰ってきなさい!」

後ろから五月さんとお父さんが現れ、目の前に紙を広げた。
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