拾いものは危険な恋のはじまりでした
_______ 婚姻届

奏さんが先に記入していく、そして私も・・・

記入された婚姻届をもって、二人で役所に提出した

思ったよりも、あっさりと受理され「おめでとうございます」という

言葉で、私は前島小春から“桐生小春”になった。

その足で母子手帳も貰い桐生組に戻った

桐生組の門をくぐると、組の人達が整然と並んでいて、私と奏さんが

車から降りると一斉に

「「「 おめでとうございます 」」」

大きな野太い声が響いた

「あぁ」

「ありがとうございます」

いつもの調子で応える奏さんと、笑顔で応える私




こんな幸せが私に訪れるなんて思ってもみなかった

一人寂しく生きていくのだと思っていた

あの路地裏の出会いがなかったら・・・

これからも奏さんと一緒に生きていく、家族として・・

そして、もうすぐ出会うことができる、私達の宝物


あの、路地裏で拾ったのは・・・「あなたとの幸せ」でした



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