転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
プロローグ
満月宮、アデリナ皇妃の一番のお気に入りは、広々としたサンルームだ。ほぼ全面ガラス張りのこの部屋は、冬の間でも日光をあますところなく取りこみ、二重窓になっているので、冷気は寄せ付けず、暖炉のすぐ側は暑いくらいだ。
「今日のお茶菓子はなにかしら」
窓の近くに置かれているソファに座っていた皇妃は、ワゴンを押してサンルームに入ってきたヴィオラを見て立ち上がった。
「今日は、アイスクリームを作りました! うふふ、紅茶のアイス、です!」
ヴィオラが自慢げにワゴンから取り出したのは、香りのよい茶葉を選び、牛乳で煮出した紅茶を使って作ったアイスクリームだ。バニラの香りをつけたものは以前から出回っているけれど、紅茶味というのは、この国では珍しい。
「それから、こちらが抹茶味のアイスクリームです。こちらもおいしくできたと思います」
ヴィオラがオストヴァルト帝国に来て以降、ミナホ国の食材がこの国でも出回るようになった。抹茶味のアイスクリームをこの国で作ったのは、ヴィオラが初めてだろう。
「夏の食べ物だと思っていたけれど、こうやって寒い時期にいただくのも贅沢で楽しいわね」
「サンルームは温かいから、アイスクリームを食べても、そんなに身体が冷える感じはしないと思うんです」
銀のティーセットが用意されているテーブルに、ヴィオラは二種類のアイスクリームが載った銀の皿に銀のスプーンを添えて置く。それから、パイを載せた皿をワゴンから取り出した。
「今日のお茶菓子はなにかしら」
窓の近くに置かれているソファに座っていた皇妃は、ワゴンを押してサンルームに入ってきたヴィオラを見て立ち上がった。
「今日は、アイスクリームを作りました! うふふ、紅茶のアイス、です!」
ヴィオラが自慢げにワゴンから取り出したのは、香りのよい茶葉を選び、牛乳で煮出した紅茶を使って作ったアイスクリームだ。バニラの香りをつけたものは以前から出回っているけれど、紅茶味というのは、この国では珍しい。
「それから、こちらが抹茶味のアイスクリームです。こちらもおいしくできたと思います」
ヴィオラがオストヴァルト帝国に来て以降、ミナホ国の食材がこの国でも出回るようになった。抹茶味のアイスクリームをこの国で作ったのは、ヴィオラが初めてだろう。
「夏の食べ物だと思っていたけれど、こうやって寒い時期にいただくのも贅沢で楽しいわね」
「サンルームは温かいから、アイスクリームを食べても、そんなに身体が冷える感じはしないと思うんです」
銀のティーセットが用意されているテーブルに、ヴィオラは二種類のアイスクリームが載った銀の皿に銀のスプーンを添えて置く。それから、パイを載せた皿をワゴンから取り出した。
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