転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
イローウェン王国から人質としてこの国に来た時、ニイファは迷わずヴィオラについてきてくれた。この国で、どんな扱いをされるのかわからなかったにもかかわらずだ。
道中、盗賊に襲われた時には、命がけでヴィオラをかばってくれたし、彼女の忠誠心は変わらない。ニイファの忠義にも、きちんとお返しをしたいと思う。
そのためには、ヴィオラが力をつけるしかない。今は、皇妃のお気に入りの娘という立ち位置にいるけれど、それに甘えて何の努力もしないのではだめだ。
(……あと二年。二年のうちに、どう生きていくのかを決めないと)
転生したこの世界では、十五歳で成人だ。この国にとどまって生きていくか、それとも、他の道を探すかをそれまでに決めなければならない。
自分の道を自分で決めるためには、学べる限りのことを学んでおかなくては。
ニイファがお茶の道具を片付けてくれている音を耳にしながら、ヴィオラは机に向かって教科書を開いたのだった。
皇帝一家との食事は、正餐室でとる習慣だ。面倒でも、夕食用のドレスに着替え、身なりを整えなくてはならない。
ニイファの用意してくれたピンク色のドレスを身に着けたヴィオラは、正餐室で皇妃の向かい側に座っていた。
「ヴィオラ、今日はなにをしていたの?」
「午前中は、クィアトール宮で先生の講義を受けていました。それから、午後はダンスレッスンをして……それからニイファとお茶を飲んだり、明日の予習をしたりして過ごしました」
道中、盗賊に襲われた時には、命がけでヴィオラをかばってくれたし、彼女の忠誠心は変わらない。ニイファの忠義にも、きちんとお返しをしたいと思う。
そのためには、ヴィオラが力をつけるしかない。今は、皇妃のお気に入りの娘という立ち位置にいるけれど、それに甘えて何の努力もしないのではだめだ。
(……あと二年。二年のうちに、どう生きていくのかを決めないと)
転生したこの世界では、十五歳で成人だ。この国にとどまって生きていくか、それとも、他の道を探すかをそれまでに決めなければならない。
自分の道を自分で決めるためには、学べる限りのことを学んでおかなくては。
ニイファがお茶の道具を片付けてくれている音を耳にしながら、ヴィオラは机に向かって教科書を開いたのだった。
皇帝一家との食事は、正餐室でとる習慣だ。面倒でも、夕食用のドレスに着替え、身なりを整えなくてはならない。
ニイファの用意してくれたピンク色のドレスを身に着けたヴィオラは、正餐室で皇妃の向かい側に座っていた。
「ヴィオラ、今日はなにをしていたの?」
「午前中は、クィアトール宮で先生の講義を受けていました。それから、午後はダンスレッスンをして……それからニイファとお茶を飲んだり、明日の予習をしたりして過ごしました」