転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
「母上はヴィオラを大切に思っている。だから、俺にヴィオラを守らせようとしているんだ」
「あんたにヴィオラが守れるのかよ?」
タケルがそう言って、リヒャルトに詰め寄った。リヒャルトとヴィオラが接近するのがどうしても気に入らないらしい。
「――守る」
リヒャルトは自分の胸に手を当てて宣言した。
「母上が変わったのも、俺が変わったのも――ヴィオラのおかげだ。ヴィオラには、返しきれない恩がある。だから、ヴィオラは俺が守る」
なんて真摯な顔で口にするんだろう。
「それは違うでしょう、リヒャルト様」
ヴィオラはそっと口をはさんだ。
「リヒャルト様が助けてくださらなかったら、私……この国に来る前に死んでいたから」
ヴィオラの言葉に、は? とタケルが目をむいた。
「イローウェン王国から、この国に来る途中、盗賊に襲われて、馬車が湖に転落したの。リヒャルト様と、騎士達が助けてくれたから、私もニイファも、今ここにいられるの。返しきれない恩があるのは、私の方」
なんだよ、とタケルはもう一度つぶやき、勢いよく部屋を出て行ってしまう。
「――ヴィオラ」
「タケル様も、わかってくださいます」
リヒャルトに伝えたいことはたくさんあるけれど、きっと、今はその時ではない。
ヴィオラもまたリヒャルトに一礼し、静かに部屋を後にした。
「あんたにヴィオラが守れるのかよ?」
タケルがそう言って、リヒャルトに詰め寄った。リヒャルトとヴィオラが接近するのがどうしても気に入らないらしい。
「――守る」
リヒャルトは自分の胸に手を当てて宣言した。
「母上が変わったのも、俺が変わったのも――ヴィオラのおかげだ。ヴィオラには、返しきれない恩がある。だから、ヴィオラは俺が守る」
なんて真摯な顔で口にするんだろう。
「それは違うでしょう、リヒャルト様」
ヴィオラはそっと口をはさんだ。
「リヒャルト様が助けてくださらなかったら、私……この国に来る前に死んでいたから」
ヴィオラの言葉に、は? とタケルが目をむいた。
「イローウェン王国から、この国に来る途中、盗賊に襲われて、馬車が湖に転落したの。リヒャルト様と、騎士達が助けてくれたから、私もニイファも、今ここにいられるの。返しきれない恩があるのは、私の方」
なんだよ、とタケルはもう一度つぶやき、勢いよく部屋を出て行ってしまう。
「――ヴィオラ」
「タケル様も、わかってくださいます」
リヒャルトに伝えたいことはたくさんあるけれど、きっと、今はその時ではない。
ヴィオラもまたリヒャルトに一礼し、静かに部屋を後にした。