転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
「……あら? あそこを歩いているの、タイシンじゃないですか?」
「そうだな。こんなところでどうしたのだろう――あちらには、ラファエラ妃の住まいしかないはずだが」
「ラファエラ妃はまだバロー宮にいますよね。知らせないのは気の毒です――タイシン!」
ヴィオラがタイシンの名を呼び、大きくぶんぶんと手を振ると、タイシンはヴィオラの方を振り返った。こちらへと歩み寄ってくる。
「ラファエラ妃の宮に用なの? ラファエラ妃は今、ジャニス妃のところにいるわよ」
「そうでしたか。では、改めて出直すことにしましょう」
「ここまで歩いてきたの?」
「はい、鍛錬を兼ねて。タケル様は勉強中なので、鍛錬の時間をもらったんですよ」
「俺達は今から満月宮に戻るが、一緒に乗っていくか? すぐそこに馬車を待たせてある」
リヒャルトが誘ったけれど、タイシンはそれを断った。鍛錬のために帰りは走って新月宮まで戻るそうだ。
「クィアトール宮の方々から聞いたんですけど、ラファエラ妃を国交を開く賛成派に取り込もうとしているらしいですから、その件でしょうか」
「……ヤエコ殿がいない間に、交渉を進めておこうということか」
視線を上げると、少し行ったところで馬車が待っている。リヒャルトとこうして並んで歩く時間が終わってしまうのが残念だった。
「そうだな。こんなところでどうしたのだろう――あちらには、ラファエラ妃の住まいしかないはずだが」
「ラファエラ妃はまだバロー宮にいますよね。知らせないのは気の毒です――タイシン!」
ヴィオラがタイシンの名を呼び、大きくぶんぶんと手を振ると、タイシンはヴィオラの方を振り返った。こちらへと歩み寄ってくる。
「ラファエラ妃の宮に用なの? ラファエラ妃は今、ジャニス妃のところにいるわよ」
「そうでしたか。では、改めて出直すことにしましょう」
「ここまで歩いてきたの?」
「はい、鍛錬を兼ねて。タケル様は勉強中なので、鍛錬の時間をもらったんですよ」
「俺達は今から満月宮に戻るが、一緒に乗っていくか? すぐそこに馬車を待たせてある」
リヒャルトが誘ったけれど、タイシンはそれを断った。鍛錬のために帰りは走って新月宮まで戻るそうだ。
「クィアトール宮の方々から聞いたんですけど、ラファエラ妃を国交を開く賛成派に取り込もうとしているらしいですから、その件でしょうか」
「……ヤエコ殿がいない間に、交渉を進めておこうということか」
視線を上げると、少し行ったところで馬車が待っている。リヒャルトとこうして並んで歩く時間が終わってしまうのが残念だった。