転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
「皇帝陛下は甘いものがお好きなのね」
「お酒もたしなまれるがね。ああ、このリキュールのボンボンもいくつか持っていくといい」
さまざまな種類のリキュールを、砂糖で作った殻で包み込んだボンボンは、酒も好む皇帝のお気に入りの菓子だそうだ。ボンボンをいくつか摘まむ程度では、仕事に支障をきたすような酔い方はしないらしい。
小さな箱にフィナンシェとボンボンを美しく詰めてもらう。その箱を銀のトレイに乗せてヴィオラが持ち、一緒に飲むお茶は皇帝の侍従が運んでくれる。
(……なんで、わざわざ私を呼んだのかしら?)
侍従の後ろからついて歩きながら、ヴィオラは首をかしげる。
皇帝にとっては、ヴィオラは重要人物ではないと思う。
皇妃はともかく、皇帝個人に特別可愛がられているという感覚もないし、イローウェン王国を帝国側が重視しているというわけでもない。
「よく来たな」
「お待たせいたしました、陛下」
執務室に入ると、皇帝は大きな机に向かっていた。文官と思われる男性達が、執務机の両脇に並ぶ机に向かって忙しそうに働いていた。
侍従が、書類仕事にいそしむ皇帝の机の上にお茶のカップを置いた。
「菓子はそこに置け」
「はい、陛下」
皇帝との初対面は、あまりいい状況とはいえなかった。
「お酒もたしなまれるがね。ああ、このリキュールのボンボンもいくつか持っていくといい」
さまざまな種類のリキュールを、砂糖で作った殻で包み込んだボンボンは、酒も好む皇帝のお気に入りの菓子だそうだ。ボンボンをいくつか摘まむ程度では、仕事に支障をきたすような酔い方はしないらしい。
小さな箱にフィナンシェとボンボンを美しく詰めてもらう。その箱を銀のトレイに乗せてヴィオラが持ち、一緒に飲むお茶は皇帝の侍従が運んでくれる。
(……なんで、わざわざ私を呼んだのかしら?)
侍従の後ろからついて歩きながら、ヴィオラは首をかしげる。
皇帝にとっては、ヴィオラは重要人物ではないと思う。
皇妃はともかく、皇帝個人に特別可愛がられているという感覚もないし、イローウェン王国を帝国側が重視しているというわけでもない。
「よく来たな」
「お待たせいたしました、陛下」
執務室に入ると、皇帝は大きな机に向かっていた。文官と思われる男性達が、執務机の両脇に並ぶ机に向かって忙しそうに働いていた。
侍従が、書類仕事にいそしむ皇帝の机の上にお茶のカップを置いた。
「菓子はそこに置け」
「はい、陛下」
皇帝との初対面は、あまりいい状況とはいえなかった。