転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
ヴィオラが皇宮でふるまわれた食事に、毒性のあるものが紛れていると叫んだからだ。
その結果、ヴィオラは晩餐会の席から追い出されることになったけれど、リヒャルトや皇妃と親しくするきっかけにもなった。
皇帝は正式に謝罪してくれたし、ヴィオラが満月宮に滞在するのも認めてくれているが、今でも彼の前に出ると緊張してしまう。
緊張で背筋がこわばるのを感じながら、ヴィオラは背筋を伸ばした。
「――ヴィオラ」
「は、はいっ!」
名を呼ばれ、こたえる声が上ずる。この部屋にいる他の人達はどう思ったのだろうときょろきょろしたけれど、侍従も文官も気にはしていないようだ。
「リヒャルトとの縁談については、どう思う?」
「ど、どう思うと聞かれても……その、ええと」
ありがたい話だとは思う。だが、リヒャルトに迷惑をかけているのもわかっていた。こほんとひとつ咳ばらいをして、皇帝は続けた。
「……私としては、そうしてもいいんだぞ」
「……え?」
「皇妃が先走ったとはいえ、イローウェン王国に使者を出しただろう。わざわざ特使を出してまで持ちかけた話だ、こちらからなかったことにするとは言えない」
「あ、その点については……も、申し訳なく思って……」
まさか、特使を使うとまでは思っていなかったのだ。頭を下げたけれど、皇帝の話は思いがけない方向へと向かっていた。
その結果、ヴィオラは晩餐会の席から追い出されることになったけれど、リヒャルトや皇妃と親しくするきっかけにもなった。
皇帝は正式に謝罪してくれたし、ヴィオラが満月宮に滞在するのも認めてくれているが、今でも彼の前に出ると緊張してしまう。
緊張で背筋がこわばるのを感じながら、ヴィオラは背筋を伸ばした。
「――ヴィオラ」
「は、はいっ!」
名を呼ばれ、こたえる声が上ずる。この部屋にいる他の人達はどう思ったのだろうときょろきょろしたけれど、侍従も文官も気にはしていないようだ。
「リヒャルトとの縁談については、どう思う?」
「ど、どう思うと聞かれても……その、ええと」
ありがたい話だとは思う。だが、リヒャルトに迷惑をかけているのもわかっていた。こほんとひとつ咳ばらいをして、皇帝は続けた。
「……私としては、そうしてもいいんだぞ」
「……え?」
「皇妃が先走ったとはいえ、イローウェン王国に使者を出しただろう。わざわざ特使を出してまで持ちかけた話だ、こちらからなかったことにするとは言えない」
「あ、その点については……も、申し訳なく思って……」
まさか、特使を使うとまでは思っていなかったのだ。頭を下げたけれど、皇帝の話は思いがけない方向へと向かっていた。