転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
「その矢に毒が塗られている可能性もある。うかつに触れない方がいい」
「は? なんで、毒なんか……」
ちっと舌打ちしたタケルは、不満を隠そうともせず、今度はリヒャルトにかみついた。
「なんでお前がここにいるんだよ? 皇太子殿下がここに来る必要ないだろ?」
「母上の命令で視察に来た。それに、ミナホ国とのやりとりは、俺が中心となるようにと父上の命令もある」
「皇太子殿下、危険な目に遭わせてしまい申し訳ない。そちらの姫君も」
騒ぎ立てるタケルとは対照的に、タイシンの方は落ち着き払っている。
タイシンがヴィオラに向かって丁寧に一礼したので、ヴィオラの方も壁に張り付きながら、ぺこりと頭を下げた。
(……本当、信じられない)
目の前で人が死ぬ光景は衝撃的だった。
見ず知らずの人間とはいえ、目の前で命を落とす現場に居合わせるなんて。
「このナイフ――?」
タイシンが、男の持っていたナイフを拾い上げた。柄のところに、何やら模様が彫り込まれている。
「何かの紋章のようだな。皇太子殿下、何か知らないか」
「そのナイフの紋章、見覚えがある。ワナム王家のものだ」
ワナム王家とは、ジャニス三妃の生まれた国だ。
放火をするために来たこの男が、ジャニス妃とかかわりのある紋章を身に着けていたということは――。
「は? なんで、毒なんか……」
ちっと舌打ちしたタケルは、不満を隠そうともせず、今度はリヒャルトにかみついた。
「なんでお前がここにいるんだよ? 皇太子殿下がここに来る必要ないだろ?」
「母上の命令で視察に来た。それに、ミナホ国とのやりとりは、俺が中心となるようにと父上の命令もある」
「皇太子殿下、危険な目に遭わせてしまい申し訳ない。そちらの姫君も」
騒ぎ立てるタケルとは対照的に、タイシンの方は落ち着き払っている。
タイシンがヴィオラに向かって丁寧に一礼したので、ヴィオラの方も壁に張り付きながら、ぺこりと頭を下げた。
(……本当、信じられない)
目の前で人が死ぬ光景は衝撃的だった。
見ず知らずの人間とはいえ、目の前で命を落とす現場に居合わせるなんて。
「このナイフ――?」
タイシンが、男の持っていたナイフを拾い上げた。柄のところに、何やら模様が彫り込まれている。
「何かの紋章のようだな。皇太子殿下、何か知らないか」
「そのナイフの紋章、見覚えがある。ワナム王家のものだ」
ワナム王家とは、ジャニス三妃の生まれた国だ。
放火をするために来たこの男が、ジャニス妃とかかわりのある紋章を身に着けていたということは――。