転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
「タケル、一つ聞いてもいいか――この者は、何をしたんだ?」
「こいつ、放火しようとしてたんだ。他に仲間がいたかもしれないが、俺が気づいたのはこいつだけだ――あいつが手を回したのかよ!」
頭に血が上った様子で叫んだタケルが、身を翻す。たぶん"あいつ"とはセドリックのことだ。
「タイシン、止めろ!」
リヒャルトの鋭い声に、タイシンは素早く動いた。タケルの前に回り込んだかと思ったら、腕を掴んだ。
「離せ! 俺はあいつに一言言ってやらないと気が済まない――」
タケルの言葉は途中で途切れてしまった。なぜなら、タイシンがタケルの腕をつかんだからだ。次の瞬間、タケルの身体が宙を舞い、そのまま地面に背中が叩きつけられる。その様は美しくさえ見え、ヴィオラは目を丸くしていた。
「い、いきなり投げるとかないだろ!」
跳ね起きたタケルは、タイシンに食ってかかる。だが、さすが師匠と言うべきか。タイシンは、タケルを華麗な動作でかわす。
「――タケル、少し冷静になってはもらえないだろうか」
二人の間に割って入ったリヒャルトは、タケルにナイフを差し出す。
「もし、本当にセドリックが命じたのであれば、こんな風にわかりやすくワナム王家の紋章が入ったナイフを持たせたりはしないだろう」
「それは、あいつが俺達を馬鹿にしているからだ! 俺達には、大陸のことはまるでわからないと思ってる!」
「こいつ、放火しようとしてたんだ。他に仲間がいたかもしれないが、俺が気づいたのはこいつだけだ――あいつが手を回したのかよ!」
頭に血が上った様子で叫んだタケルが、身を翻す。たぶん"あいつ"とはセドリックのことだ。
「タイシン、止めろ!」
リヒャルトの鋭い声に、タイシンは素早く動いた。タケルの前に回り込んだかと思ったら、腕を掴んだ。
「離せ! 俺はあいつに一言言ってやらないと気が済まない――」
タケルの言葉は途中で途切れてしまった。なぜなら、タイシンがタケルの腕をつかんだからだ。次の瞬間、タケルの身体が宙を舞い、そのまま地面に背中が叩きつけられる。その様は美しくさえ見え、ヴィオラは目を丸くしていた。
「い、いきなり投げるとかないだろ!」
跳ね起きたタケルは、タイシンに食ってかかる。だが、さすが師匠と言うべきか。タイシンは、タケルを華麗な動作でかわす。
「――タケル、少し冷静になってはもらえないだろうか」
二人の間に割って入ったリヒャルトは、タケルにナイフを差し出す。
「もし、本当にセドリックが命じたのであれば、こんな風にわかりやすくワナム王家の紋章が入ったナイフを持たせたりはしないだろう」
「それは、あいつが俺達を馬鹿にしているからだ! 俺達には、大陸のことはまるでわからないと思ってる!」