転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
満月宮に戻ったヴィオラが、リヒャルトとタケルとタイシン、それに後から合流したヤエコと一緒に皇帝と皇妃に今日の報告をしているところに割り込んできたのはセドリックだった。
彼と一緒にやってきたのはジャニス妃だ。
無表情の彼女は、顔立ちが整いすぎていて人形のようにも見える。彼女は、皇帝の前で深々と頭を下げた。
「ミナホ人居住区で、事件が起こったと聞きました」
「ワナム王家の紋章の入ったナイフを持った男が見つかったと報告があったぞ、ジャニス」
「そのようなこと――そのナイフを見せてはいただけませんか」
ジャニス妃の言葉を聞いたリヒャルトは、彼女の前にナイフを差し出した。それを見た彼女はおお……と声を上げるなり、その場に膝をついてしまう。
「申し上げます、陛下。このナイフは、先日紛失したものにございます」
床に膝をつき、深々と頭を下げる彼女の姿は、まるで土下座をしているようだ。その隣に立ったセドリックは、不承不承といった様子で頭を下げた。
「紛失したとは、どういうことだ。皇宮で問題が発生した場合は、すぐに報告すべきだろう」
「報告しなかったのは、こちらの落ち度でございます、陛下。ですが、そのナイフがなくなったことに気づいたのは――多数の客人を迎えた日のことでした。どなたかが間違えて持って帰ったのではないかと思い、聞いて回っているうちに、今日になってしまったのです」
ジャニス妃は床に平伏したままで、ヴィオラのいる位置からは彼女の表情をうかがうことはできない。
彼と一緒にやってきたのはジャニス妃だ。
無表情の彼女は、顔立ちが整いすぎていて人形のようにも見える。彼女は、皇帝の前で深々と頭を下げた。
「ミナホ人居住区で、事件が起こったと聞きました」
「ワナム王家の紋章の入ったナイフを持った男が見つかったと報告があったぞ、ジャニス」
「そのようなこと――そのナイフを見せてはいただけませんか」
ジャニス妃の言葉を聞いたリヒャルトは、彼女の前にナイフを差し出した。それを見た彼女はおお……と声を上げるなり、その場に膝をついてしまう。
「申し上げます、陛下。このナイフは、先日紛失したものにございます」
床に膝をつき、深々と頭を下げる彼女の姿は、まるで土下座をしているようだ。その隣に立ったセドリックは、不承不承といった様子で頭を下げた。
「紛失したとは、どういうことだ。皇宮で問題が発生した場合は、すぐに報告すべきだろう」
「報告しなかったのは、こちらの落ち度でございます、陛下。ですが、そのナイフがなくなったことに気づいたのは――多数の客人を迎えた日のことでした。どなたかが間違えて持って帰ったのではないかと思い、聞いて回っているうちに、今日になってしまったのです」
ジャニス妃は床に平伏したままで、ヴィオラのいる位置からは彼女の表情をうかがうことはできない。