転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
正直なところ、ヴィオラからすればどうかと思う仕組みなのだが、妃を何人も持つ以上、序列はつけておかないといけないのだろう。
「そうですね、おいしいものを召し上がったからでしょうか? ヤエコ様がお屋敷に招いてくださった時のお酒と料理もお気に召したようですが……傾倒しているかどうかはちょっとわかりません」
首を傾げるヴィオラに、ラファエラ妃はいらだったような目を向けた。
この国に来てから、そんな目を向けられることにはすっかり慣れてしまっているので、ヴィオラの方も落ち着いて彼女の視線を受け止める。
「最近、ミナホ国の料理を満月宮で出すことが増えたのですが、陛下のお口に合うものが多いみたいです」
皇帝が満月宮で過ごす機会が増えたのは、もっとも寵愛していたティアンネ妃がいなくなった今、心温まる家族団欒を求めてのことのような気がするが、今、ここでその点について触れなくてもいいだろう。
「……そうか。陛下は何をお好みなのだ?」
「はい。それについては、満月宮の料理人、アラムに聞いていただくのが一番早いと思います、ラファエラ妃殿下」
「アラム、とな?」
「はい。陛下がお好みのミナホ国風料理は、アラムがレシピを完成させたものです」
ヴィオラの味覚は、あくまでも材料に何が入っているのかを判別できるだけ。オストヴァルト帝国の人達にとって目新しい料理のアイディアは、前世での知識がもとになっている。
「そうですね、おいしいものを召し上がったからでしょうか? ヤエコ様がお屋敷に招いてくださった時のお酒と料理もお気に召したようですが……傾倒しているかどうかはちょっとわかりません」
首を傾げるヴィオラに、ラファエラ妃はいらだったような目を向けた。
この国に来てから、そんな目を向けられることにはすっかり慣れてしまっているので、ヴィオラの方も落ち着いて彼女の視線を受け止める。
「最近、ミナホ国の料理を満月宮で出すことが増えたのですが、陛下のお口に合うものが多いみたいです」
皇帝が満月宮で過ごす機会が増えたのは、もっとも寵愛していたティアンネ妃がいなくなった今、心温まる家族団欒を求めてのことのような気がするが、今、ここでその点について触れなくてもいいだろう。
「……そうか。陛下は何をお好みなのだ?」
「はい。それについては、満月宮の料理人、アラムに聞いていただくのが一番早いと思います、ラファエラ妃殿下」
「アラム、とな?」
「はい。陛下がお好みのミナホ国風料理は、アラムがレシピを完成させたものです」
ヴィオラの味覚は、あくまでも材料に何が入っているのかを判別できるだけ。オストヴァルト帝国の人達にとって目新しい料理のアイディアは、前世での知識がもとになっている。