転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
 実際に手を動かすとなるとアラムをはじめとしたプロの料理人達の方が上だし、帝国の人達の味覚に合わせてレシピを調整するのも彼らの方が上だ。

 今、満月宮で出されているミナホ料理は、ヤエコがミナホ国から連れてきた料理人にミナホ料理のレシピを教わり、そこにヴィオラのアイディアとアラムの知識や腕を加えて、アレンジしたものだ。

 そのため、本場のミナホ国の料理とは少し異なっている。だが、皇帝も皇妃も、気に入ってくれている。

「そうか。では、わが宮から満月宮に料理人を派遣して料理を教わることにしよう」

 と、ここでラファエラ妃は表情を変える。どうやら今までの話は、単なる前振りでしかなかったようだ。

「……ところで、ヴィオラ姫」

 真面目な顔をしたラファエラ妃は、身を乗り出すようにしてヴィオラに顔を近づけてくる。

「ミナホ国との交易については、我が国は否定的な立場を取っている。とはいえ、皇帝陛下が国交を開くと決めたものを覆すというのは不可能だ」

 話はどこに向かおうとしているのだろう。不安を覚えながらも、ヴィオラはうなずいた。

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