転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
「ヴィオラ様、ミナホ国の従者からもらったものだそうです」
話を聞きだしたニイファは、素早くこちらに向かってささやいた。
「ミナホ国の従者?」
「タイシン様だと思われます。『いつもタケル様と一緒にいる大柄な青年』ということでしたので」
「なんで? ええと……あの人をタイシンが好きになってプレゼントしたってこと? 口説くっていえばいいの?」
タイシンがラファエラ妃の宮に向かう途中で行き会ったことがある。あの時は、ラファエラ妃と交渉するためだと思っていたけれど、実は今すれ違った彼女が目当てだったのだろうか。
「……そういうことではなさそうですよ」
口説くなんて言葉を使って、怒られるかと思ったけれどそんなことはなかった。
「彼女に贈られたのは木製ですが、ミナホ国ではなかなか人気のある職人の手によるものだそうです。表側はただの木なのですが、裏には宝石がはめ込んでありました」
「――え?」
どうして表ではなく裏に宝石をはめ込むのだろう。
ニイファが言うには、下働きでは贅沢な品を身に着けるのは気が引ける。だが、裏に小さな宝石をはめ込んだものは、見えないところのお洒落として人気なのだそうだ。
話を聞きだしたニイファは、素早くこちらに向かってささやいた。
「ミナホ国の従者?」
「タイシン様だと思われます。『いつもタケル様と一緒にいる大柄な青年』ということでしたので」
「なんで? ええと……あの人をタイシンが好きになってプレゼントしたってこと? 口説くっていえばいいの?」
タイシンがラファエラ妃の宮に向かう途中で行き会ったことがある。あの時は、ラファエラ妃と交渉するためだと思っていたけれど、実は今すれ違った彼女が目当てだったのだろうか。
「……そういうことではなさそうですよ」
口説くなんて言葉を使って、怒られるかと思ったけれどそんなことはなかった。
「彼女に贈られたのは木製ですが、ミナホ国ではなかなか人気のある職人の手によるものだそうです。表側はただの木なのですが、裏には宝石がはめ込んでありました」
「――え?」
どうして表ではなく裏に宝石をはめ込むのだろう。
ニイファが言うには、下働きでは贅沢な品を身に着けるのは気が引ける。だが、裏に小さな宝石をはめ込んだものは、見えないところのお洒落として人気なのだそうだ。