転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
こくり、とヴィオラはうなずく。言葉を発したらしゃくりあげてしまいそうで、ただ、うなずいただけだった。
ヤエコはさらに続ける。
「たしかに、デンジロウ様のような知識を持つ稀人が現れたら、国内を平定するのに役立つと、そんな計算が働いたのは否定しないよ。だが、子供を巻き込むつもりはないんだ」
「わ、私を、信じて、くれる……の……?」
ヴィオラが子供だと自称しても、それをヤエコが確かめる術はない。嘘をついていると思われたらそれまでだけれど、ヤエコはそれでよしとしたようだった。
「たしかに大人びたところはあるが、ヴィオラの精神は、大人にはなりきっていないと思う。今の言葉に、嘘はないだろう」
納得――してもらえたようだ。ヴィオラの前に膝をついたままのヤエコは、そのままヴィオラの身体に腕を回して抱きしめてきた。
「……寂しかっただろう。私には想像することしかできないが、きっと、世界の違いに驚いただろうね」
「少しだけ。ニイファがいてくれたので」
「あれはいい娘だね――ヴィオラ姫。私が言えた義理ではないかもしれないが、幸せになるといい。先祖と同じ世界から来た姫君を、私は、愛おしく思うよ。私には息子しかいないからね。娘が一人増えたと思わせてほしい――と言ったら、迷惑かな」
小さく笑って、ヤエコはヴィオラの頬を撫でる。その手に、こめられた愛情は、ヴィオラの胸を温かくさせた。
ヤエコはさらに続ける。
「たしかに、デンジロウ様のような知識を持つ稀人が現れたら、国内を平定するのに役立つと、そんな計算が働いたのは否定しないよ。だが、子供を巻き込むつもりはないんだ」
「わ、私を、信じて、くれる……の……?」
ヴィオラが子供だと自称しても、それをヤエコが確かめる術はない。嘘をついていると思われたらそれまでだけれど、ヤエコはそれでよしとしたようだった。
「たしかに大人びたところはあるが、ヴィオラの精神は、大人にはなりきっていないと思う。今の言葉に、嘘はないだろう」
納得――してもらえたようだ。ヴィオラの前に膝をついたままのヤエコは、そのままヴィオラの身体に腕を回して抱きしめてきた。
「……寂しかっただろう。私には想像することしかできないが、きっと、世界の違いに驚いただろうね」
「少しだけ。ニイファがいてくれたので」
「あれはいい娘だね――ヴィオラ姫。私が言えた義理ではないかもしれないが、幸せになるといい。先祖と同じ世界から来た姫君を、私は、愛おしく思うよ。私には息子しかいないからね。娘が一人増えたと思わせてほしい――と言ったら、迷惑かな」
小さく笑って、ヤエコはヴィオラの頬を撫でる。その手に、こめられた愛情は、ヴィオラの胸を温かくさせた。