転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
 以前、ヤエコを訪問した時に出されたメニューを取り入れたものだ。クリームチーズをサーモンで巻いたもの、ローストビーフに醤油を使ったソースをかけたもの、干し柿と大根の和え物、南蛮漬け、生ハムのマリネだ。

 それから、鶏肉と玉ねぎを使ったスープは味噌を味付けに使っている。

 メインの料理はカレードリアにした。魚料理は鱒の塩釜焼き。食後のデザートは、中にベリーのジャムを入れた大福と抹茶のアイスクリームだ。

「――ヴィオラよ、今日の料理は、我が国とミナホ国を合わせたものだな」

「皇帝陛下のおっしゃる通りです。私にできることは、両国の食材を合わせたら、何が作れるか考えることくらいなので。実際に手を動かしてくれたのはアラムと、ミナホ国からヤエコ様についてきた料理人達です」

 小魚の南蛮漬けは、アラムにも作ることができる。だが、ミナホ国の器に美しく盛り合わせるのはミナホ国の料理人の方が上だ。

 そして、カレーを調合するのはミナホ国の料理人の方が優れていて、チーズの扱いについては、アラム達の方が上手だ。

「メインの料理もそうです。ミナホ国のカレーとお米、そしてオストヴァルト帝国の牛乳とチーズを使って仕上げました」

 こちらの国では、塩釜焼きはさほど広まってはいない。鱒に詰めた香草はオストヴァルト帝国のもの。塩がまの作り方はミナホ国のものと言っていいだろう。

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