転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
その下にもう一つヴィオラの知らない言語が書かれている。きっと、それもまた同じ意味を持つ文章なのだろう。
ヤエコはびっくりしたように声を上げた。
「ヴィオラは、我が国の言葉が読めるのか」
「あ、そのっ」
日本語が、急に出てくるとは思っていなかった。それも「帰りたい」なんて言葉が出てくるなんて。
声に出して読み上げていたことに気づいて慌てるヴィオラに、ヤエコは小さなカードの束を差し出した。
「――では、これは読めるか? ずいぶん熱心に勉強したんだろう、ミナホの言葉を」
「ちょっとだけ、です……」
目の前に差し出されたカードは、百人一首カルタだった。渡された文字札は金で縁取りされている。そこに記された句を、素直に読み上げた。
「次」
ヤエコに言われてもう一句。
「意外と、読めるものだね。意味はわかるか?」
「……なんとなく、です」
「そうか」
読めるけれど、句にこめられた意味を完全に理解できるかと問われると首をかしげてしまう。読めるという返事だけで、ヤエコは満足したようだった。
ヤエコはびっくりしたように声を上げた。
「ヴィオラは、我が国の言葉が読めるのか」
「あ、そのっ」
日本語が、急に出てくるとは思っていなかった。それも「帰りたい」なんて言葉が出てくるなんて。
声に出して読み上げていたことに気づいて慌てるヴィオラに、ヤエコは小さなカードの束を差し出した。
「――では、これは読めるか? ずいぶん熱心に勉強したんだろう、ミナホの言葉を」
「ちょっとだけ、です……」
目の前に差し出されたカードは、百人一首カルタだった。渡された文字札は金で縁取りされている。そこに記された句を、素直に読み上げた。
「次」
ヤエコに言われてもう一句。
「意外と、読めるものだね。意味はわかるか?」
「……なんとなく、です」
「そうか」
読めるけれど、句にこめられた意味を完全に理解できるかと問われると首をかしげてしまう。読めるという返事だけで、ヤエコは満足したようだった。