転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
自分と同じ世界から来た人がいればいいと思っていたのに、いざこうなってみると恐怖心のようなもので身体が震えた。
実際に会えるのならばともかく、五百年も前の人だ。もし、彼が生きていたら聞きたいことがたくさんあったけれど、もう死んだ人なのだとしたらそれは無理だ。
「――ヴィオラ。ひとつ聞かせてくれ」
「なんでしょう?」
「君の知り合いに稀人がいるのではないか?」
問われて、首を横に振る。
「私は国にいた頃、王宮に出入りしていた商人にいろいろ教えてもらっただけです。ミナホ国とは取引していた……と思いますけど、普通の人であって神様の御使いとかではないと思います」
「……そうだな、稀人なんてそうそういるものでもないか。悪かった、妙な話をして」
ヴィオラの説明で、ヤエコは納得してくれただろうか。それはわからなかったけれど、そろそろ話を打ち切った方がよさそうだ。
「いいえ、気にしていません。それより、素敵な髪飾り、ありがとうございます。大切にしますね」
「悪くはないだろう。私も、若い頃はそれなりにその髪飾りが似合ったんだぞ」
そう言って、ヤエコは微笑む。
その笑みに、気になるものを覚えたけれど、何が引っかかっているのかヴィオラ自身にもわからないまま、皇宮に戻ることになった。
◇ ◇ ◇
実際に会えるのならばともかく、五百年も前の人だ。もし、彼が生きていたら聞きたいことがたくさんあったけれど、もう死んだ人なのだとしたらそれは無理だ。
「――ヴィオラ。ひとつ聞かせてくれ」
「なんでしょう?」
「君の知り合いに稀人がいるのではないか?」
問われて、首を横に振る。
「私は国にいた頃、王宮に出入りしていた商人にいろいろ教えてもらっただけです。ミナホ国とは取引していた……と思いますけど、普通の人であって神様の御使いとかではないと思います」
「……そうだな、稀人なんてそうそういるものでもないか。悪かった、妙な話をして」
ヴィオラの説明で、ヤエコは納得してくれただろうか。それはわからなかったけれど、そろそろ話を打ち切った方がよさそうだ。
「いいえ、気にしていません。それより、素敵な髪飾り、ありがとうございます。大切にしますね」
「悪くはないだろう。私も、若い頃はそれなりにその髪飾りが似合ったんだぞ」
そう言って、ヤエコは微笑む。
その笑みに、気になるものを覚えたけれど、何が引っかかっているのかヴィオラ自身にもわからないまま、皇宮に戻ることになった。
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