転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
第三章 思いがけない縁談
 ミナホ人居住区の工事が始まった。

 この国は温かいので、時々雪がちらつくこともあるが、積もることはめったにない。そのため、工事は大急ぎで、そして順調に進められていた。

 その日、ヴィオラはニイファとアラムを連れて、市場に出かけていた。一応護衛もついているのだが、三人を遠巻きにしているので目立たない。昼食会ではアラムが腕を振るうので、一緒に食材を見に来たのだ。

 ヴィオラの金髪はニイファと同じように首の後ろでシニヨンにし、上からネットをかぶせてある。食材を見に行く時はいつもこうだ。

「皇妃様とヤエコ様の昼食会ですよね……ヴィオラ様は参加されないのですか?」

「私は、その日テストなの」

 クィアトール宮での講義は、週に三日きちんと行われている。講義に行かない日は自主学習や、他の国から勉強に来ている人達との交流にあてることになっている。

 ヴィオラの場合、週に二日程度は皇妃との時間にあてられている。皇妃とお茶を飲むときには、ヴィオラがお菓子を用意することも多いので、そちらに時間を割かれるために、他の人との交流が少なくなってしまうのが悩みの種だ。

 その分、勉強はきっちりやらなければいけないと思っている。いい成績を取れば、ヴィオラが生き残るための選択肢も増えるだろうから。
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