転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
◇ ◇ ◇
クィアトール宮での授業を終え、他の令嬢達に別れを告げようとしたときだった。
「あら、あちらを歩いていらっしゃるの、セドリック様じゃない?」
窓の外に目をやり、そう口を開いたのはスティーシャだった。
ヴィオラもつられるように視線をそちらに向ける。何人かの若い男性が、庭園を横切っているのが見えた。
スティーシャは、この国の皇族に嫁ぐことを目標としている。そのため、皇族の動向については、常に目を光らせているようで今も真っ先にセドリックに気がついた。
特に、リヒャルトについで皇位継承権第二位であるセドリックは、スティーシャにとっては、逃してはいけない相手のひとりであった。
「セドリック様は、ミナホ国との交易には反対なさっているのよね」
と、リネットが意外にも情報通なところを見せる。そんな話は聞いたことがなかったから、ヴィオラは目を瞬かせた。
「そうなの? 反対なさっているなんて知りませんでした。皇妃様が、ヤエコ様にジャニス妃とラファエラ妃への紹介状を書いてあげたくらいだから賛成だと思っていました」
「そうでもないようですよ。ジャニス妃は、今、あちこちに使者を走らせているようですし。ミナホ国の人とどう対抗するかを相談しているのでしょう」
クィアトール宮での授業を終え、他の令嬢達に別れを告げようとしたときだった。
「あら、あちらを歩いていらっしゃるの、セドリック様じゃない?」
窓の外に目をやり、そう口を開いたのはスティーシャだった。
ヴィオラもつられるように視線をそちらに向ける。何人かの若い男性が、庭園を横切っているのが見えた。
スティーシャは、この国の皇族に嫁ぐことを目標としている。そのため、皇族の動向については、常に目を光らせているようで今も真っ先にセドリックに気がついた。
特に、リヒャルトについで皇位継承権第二位であるセドリックは、スティーシャにとっては、逃してはいけない相手のひとりであった。
「セドリック様は、ミナホ国との交易には反対なさっているのよね」
と、リネットが意外にも情報通なところを見せる。そんな話は聞いたことがなかったから、ヴィオラは目を瞬かせた。
「そうなの? 反対なさっているなんて知りませんでした。皇妃様が、ヤエコ様にジャニス妃とラファエラ妃への紹介状を書いてあげたくらいだから賛成だと思っていました」
「そうでもないようですよ。ジャニス妃は、今、あちこちに使者を走らせているようですし。ミナホ国の人とどう対抗するかを相談しているのでしょう」