転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
第四章 婚約なんて無理な話
一週間とたたないうちに、国交を開くための交渉と、縁談を申し込みに行くというヤエコの旅立ちは決まっていた。
タケルを残していくのは、急ぎの旅だかららしく、側近も半数は残していくようだ。その間は、タケルがミナホ国の代表者を務めるそうだが、タイシンも後見人としてタケルに付きそうらしい。
ヴィオラから縁談について相談することはなかったけれど、皇妃はもちろんヤエコ本人から聞いているし、リヒャルトも皇妃から話を聞いているようだ。
この冬、皇妃一番お気に入りの場所となっているサンルーム。
人前に出る予定はないので、ゆったりとした服装でそのサンルームのソファに座る皇妃は、身をかがめてヴィオラの方をのぞき込んできた。
皇妃の隣に置かれている椅子に座ったリヒャルトは、今は口を挟むつもりはないらしい。ヴィオラの方をちらちらと見てはいるけれど、それだけだ。
「タケルを残していったのは、あなたと仲良くさせようということでしょうね」
「……そうだと思います」
タケル個人が嫌いというわけでもないし、父が決めたのなら逆らうつもりもなかった。
けれど、頭と心はばらばらだ。父に逆らうのは得策ではないと頭は懸命に言い聞かせるのに、心の方はこのままここにいたいのだと訴えかけてくる。
タケルを残していくのは、急ぎの旅だかららしく、側近も半数は残していくようだ。その間は、タケルがミナホ国の代表者を務めるそうだが、タイシンも後見人としてタケルに付きそうらしい。
ヴィオラから縁談について相談することはなかったけれど、皇妃はもちろんヤエコ本人から聞いているし、リヒャルトも皇妃から話を聞いているようだ。
この冬、皇妃一番お気に入りの場所となっているサンルーム。
人前に出る予定はないので、ゆったりとした服装でそのサンルームのソファに座る皇妃は、身をかがめてヴィオラの方をのぞき込んできた。
皇妃の隣に置かれている椅子に座ったリヒャルトは、今は口を挟むつもりはないらしい。ヴィオラの方をちらちらと見てはいるけれど、それだけだ。
「タケルを残していったのは、あなたと仲良くさせようということでしょうね」
「……そうだと思います」
タケル個人が嫌いというわけでもないし、父が決めたのなら逆らうつもりもなかった。
けれど、頭と心はばらばらだ。父に逆らうのは得策ではないと頭は懸命に言い聞かせるのに、心の方はこのままここにいたいのだと訴えかけてくる。