『またね。』
僕の手で、幸せにするまで見守りたかったなあ…
「あ、話終わったかな?
鈴呼んでもいい?」
「ああ。男同士だと話が弾むよ。ね、卯月くん。」
「ええ。とても楽しかったです。」
…お母さんの方は知っているのだろうか。
僕が鈴のドナーであることを。
「…知ってるの。私も。」
「え?」
「鈴のドナーがあなただって。
鈴がいない今のうちに言わせて。」
「…」
「ごめんなさい。
…ありがとう…卯月くん…」
…この両親は本当に鈴のこと、好きなんだね。
僕も、両親がいたらこんな感じだったのかな…
「いいんですよ。誰も悲しまないので。
…ただ、手術が終わるまで、鈴には言わないでください。」
鈴の事だ。
僕が心臓のドナーだと知ったら手術すら受けないなんて言いかねない。
「…それが望みなら…」
「それと。手術の時に鈴へのプレゼントを持ってきます。
…鈴が目覚めたら…渡してください…」
…僕が直接渡すことは出来ないから。
ご両親に預けるしかないんだ…
「…分かりました…
本当に、ごめんなさい、卯月くん…」
鈴のお母さんは号泣してしまった。
鈴のお父さんが肩を抱いて落ち着かせている。
「済まないが卯月くん、鈴と散歩にでも行ってきてくれるか?」
「え?」
「何しろこの状態だからね。」
…あぁ、そうか。
号泣している姿を見たら優しい鈴のことだ。
一体何があったのかを聞いてくる。
「分かりました。」
「部屋は2階に上がったら札がかかっているから分かるよ。」
「わかりました。」
僕はカバンを持って立ち上がる。
リビングの扉をそっと閉めて2階へあがる。
「…あった。」
部屋のドアに鈴、と書かれた札。
軽くノックをする。
「はーい。」
「入ってもいい?」
「え、輝?!」
…お母さんやお父さんだと思っていたんだね。
「うん。」
「いいよ、入って!」
ドアノブを捻って扉を開く。
鈴のイメージとは全く正反対の雰囲気。
白と黒のモノトーン調だ。
…もっとこう、女の子らしいピンクをイメージしていた。
「鈴、散歩でも行かない?」
「え?うん。」
いつの間に私服に着替えたのか。
鈴は桜色のTシャツに茶色のロングスカート姿になっていた。
Tシャツの上にはカーディガン。
「いいよ。行こう。」
…鈴はの部屋の机の上。
開かれたノートの1番上には“遺書”と書かれていた。
「…」
…ドナーが見つかっても不安なのかな。
それとも、本当は見つかっていないと思っているのか。
「あ、話終わったかな?
鈴呼んでもいい?」
「ああ。男同士だと話が弾むよ。ね、卯月くん。」
「ええ。とても楽しかったです。」
…お母さんの方は知っているのだろうか。
僕が鈴のドナーであることを。
「…知ってるの。私も。」
「え?」
「鈴のドナーがあなただって。
鈴がいない今のうちに言わせて。」
「…」
「ごめんなさい。
…ありがとう…卯月くん…」
…この両親は本当に鈴のこと、好きなんだね。
僕も、両親がいたらこんな感じだったのかな…
「いいんですよ。誰も悲しまないので。
…ただ、手術が終わるまで、鈴には言わないでください。」
鈴の事だ。
僕が心臓のドナーだと知ったら手術すら受けないなんて言いかねない。
「…それが望みなら…」
「それと。手術の時に鈴へのプレゼントを持ってきます。
…鈴が目覚めたら…渡してください…」
…僕が直接渡すことは出来ないから。
ご両親に預けるしかないんだ…
「…分かりました…
本当に、ごめんなさい、卯月くん…」
鈴のお母さんは号泣してしまった。
鈴のお父さんが肩を抱いて落ち着かせている。
「済まないが卯月くん、鈴と散歩にでも行ってきてくれるか?」
「え?」
「何しろこの状態だからね。」
…あぁ、そうか。
号泣している姿を見たら優しい鈴のことだ。
一体何があったのかを聞いてくる。
「分かりました。」
「部屋は2階に上がったら札がかかっているから分かるよ。」
「わかりました。」
僕はカバンを持って立ち上がる。
リビングの扉をそっと閉めて2階へあがる。
「…あった。」
部屋のドアに鈴、と書かれた札。
軽くノックをする。
「はーい。」
「入ってもいい?」
「え、輝?!」
…お母さんやお父さんだと思っていたんだね。
「うん。」
「いいよ、入って!」
ドアノブを捻って扉を開く。
鈴のイメージとは全く正反対の雰囲気。
白と黒のモノトーン調だ。
…もっとこう、女の子らしいピンクをイメージしていた。
「鈴、散歩でも行かない?」
「え?うん。」
いつの間に私服に着替えたのか。
鈴は桜色のTシャツに茶色のロングスカート姿になっていた。
Tシャツの上にはカーディガン。
「いいよ。行こう。」
…鈴はの部屋の机の上。
開かれたノートの1番上には“遺書”と書かれていた。
「…」
…ドナーが見つかっても不安なのかな。
それとも、本当は見つかっていないと思っているのか。