『またね。』
「…あのね、輝…」
「うん?」
可愛い看板が目立つパンケーキ屋さん。
僕は鈴を連れて中に入る。
美味しそうなメニューを見て顔を輝かせる鈴。
「…私、ね…?」
…自惚れるな…
“鈴が僕のこと好きかも”
なんで思っちゃいけない。
…そんなの思う資格はないんだ…
僕は…最低な男だから…
鈴との約束、果たせないから…
「…幸せなんだよ。」
「…」
「輝とこうして、デートできてるから。」
真っ赤になっている鈴。
…もしかしなくても確信してしまう。
鈴はきっと、僕のことが好きだ。
…僕だって好きなのになあ…
鈴を裏切るのに僕がその気持ちを伝えることは出来ない。
「…僕も幸せだよ。」
鈴がこれからも、幸せでいてくれるなら…
「ほらっ、パンケーキ食べて見て!美味しいから!」
鈴がパンケーキを僕の口元に持ってくる。
…ほんのり、甘くてほんのり苦い。
苦いと感じるのは…きっと僕の恋心のせいだろう…
【卯月輝side END】
【佐倉鈴side】
「美味しかった〜!また行こうね、輝!」
輝と一緒に外に出る。
…私を見て微笑んでくれてるけど…
「…あの、ね?」
「うん。」
「私、輝の家、行ってみたい。」
…迷惑かな?
彼女でもない女が押しかけたら…迷惑だよね…?
「僕の家?」
「…うん。」
「…うーん…」
…やっぱり迷惑かなあ…
突然言われたらそりゃ考えちゃうよね…
「特に何も無くていいなら…」
「それでも!いいから…」
…輝のこと、もっと知りたいの。
私、輝のこと、何も知らないから…
「分かった。だったら1度家に戻って自転車で行こう。」
あ、そっか。
輝の自転車。
私の家にあったっけ…
「それに、鈴のご両親も心配するよ。」
「…そうだね。」
優しく微笑む輝。
私は輝の制服を握って隣を歩く。
…手、繋ぎたい…
「…どうしたの?」
「…」
輝の視線が優しくて大好き。
輝の少し筋肉質な背中も大好き。
少し鼻にかかっている声も。メガネをあげる時の仕草も。
全てが大好き。
でもいちばんは…
輝が絵を描いてる時。
優しいけど鋭い目…
全てを包んでくれる包容力があって好きなんだ。
「…なんでもないよ。」
この手から、私の想いが輝に伝わればいいのになあ…
「お母さん!お父さん!今から輝のお家行ってくる!」
「分かった。気をつけてね。
卯月くん、鈴をよろしく。」
「分かりました。」
輝は私の両親に軽く頭を下げて自転車を取り出す。
「うん?」
可愛い看板が目立つパンケーキ屋さん。
僕は鈴を連れて中に入る。
美味しそうなメニューを見て顔を輝かせる鈴。
「…私、ね…?」
…自惚れるな…
“鈴が僕のこと好きかも”
なんで思っちゃいけない。
…そんなの思う資格はないんだ…
僕は…最低な男だから…
鈴との約束、果たせないから…
「…幸せなんだよ。」
「…」
「輝とこうして、デートできてるから。」
真っ赤になっている鈴。
…もしかしなくても確信してしまう。
鈴はきっと、僕のことが好きだ。
…僕だって好きなのになあ…
鈴を裏切るのに僕がその気持ちを伝えることは出来ない。
「…僕も幸せだよ。」
鈴がこれからも、幸せでいてくれるなら…
「ほらっ、パンケーキ食べて見て!美味しいから!」
鈴がパンケーキを僕の口元に持ってくる。
…ほんのり、甘くてほんのり苦い。
苦いと感じるのは…きっと僕の恋心のせいだろう…
【卯月輝side END】
【佐倉鈴side】
「美味しかった〜!また行こうね、輝!」
輝と一緒に外に出る。
…私を見て微笑んでくれてるけど…
「…あの、ね?」
「うん。」
「私、輝の家、行ってみたい。」
…迷惑かな?
彼女でもない女が押しかけたら…迷惑だよね…?
「僕の家?」
「…うん。」
「…うーん…」
…やっぱり迷惑かなあ…
突然言われたらそりゃ考えちゃうよね…
「特に何も無くていいなら…」
「それでも!いいから…」
…輝のこと、もっと知りたいの。
私、輝のこと、何も知らないから…
「分かった。だったら1度家に戻って自転車で行こう。」
あ、そっか。
輝の自転車。
私の家にあったっけ…
「それに、鈴のご両親も心配するよ。」
「…そうだね。」
優しく微笑む輝。
私は輝の制服を握って隣を歩く。
…手、繋ぎたい…
「…どうしたの?」
「…」
輝の視線が優しくて大好き。
輝の少し筋肉質な背中も大好き。
少し鼻にかかっている声も。メガネをあげる時の仕草も。
全てが大好き。
でもいちばんは…
輝が絵を描いてる時。
優しいけど鋭い目…
全てを包んでくれる包容力があって好きなんだ。
「…なんでもないよ。」
この手から、私の想いが輝に伝わればいいのになあ…
「お母さん!お父さん!今から輝のお家行ってくる!」
「分かった。気をつけてね。
卯月くん、鈴をよろしく。」
「分かりました。」
輝は私の両親に軽く頭を下げて自転車を取り出す。