【番外編完結】初恋にピリオドを
更に観客がいなくなってきたので、瑠奈も会場を後にしようと立ち上がった。

人並みに従いトボトボと出口を目指す。

周りがまだ興奮している人達でザワザワしているがもう誰の言葉も頭に入らないほど強いショックを受けているようだ。

でも、これでようやく次の恋に進めるんだ!

私だってカッコいい外国人の旦那様ゲットしてやるわ!

そう意気込んでいたら右肘を掴まれて後ろに引かれた。

「ひゃっ!」

くるりと回転したと思えば視界は真っ白で、分かるのは誰かに抱き締められていると言うこと。

「どこ行く気だ」

頭の遥か上から聞こえる大好きだった人の声。

夢でも見ているのだろうか?

抱き締められる腕の感触も、強さも、私の知っている頃のままだ。
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