【番外編完結】初恋にピリオドを
唇には特に時間を掛けてキスをされた。

チュッと啄むようなキスだったり

そのまま食べられてしまうんじゃないかと思うくらい舌を絡め取られる激しいキスだったり

下唇を甘噛みされたり

焦らすように口の端にキスをしたり

キスに夢中で気が付けばお姫様抱っこでベッドルームに連れていかれ、押し倒されていた。

「やっと瑠奈を全て俺の物に出来る」

そう言って私を見下ろす龍くんはとても嬉しそうだった。

日本にいた頃、私達は清い関係だったのだ。

「やっと20歳過ぎたのに全然会えなかったしな」

「え?どーゆーこと?」

「彩月に瑠奈が20歳になるまで絶対手を出すなって言われてたんだ」

は?何を言ったんだ、バカ兄は………

それを律儀に守ってたからかと度々過去に様子のおかしい龍くんを思い出した。

きっと彼の中でかなり葛藤があったんだろう。

それでも親友の妹だからと兄の言うことを守り、私と真剣に向き合ってくれていたのだ。

「龍くん」

優しい瞳と視線がぶつかる。

そっと両頬に手を添えて私からゆっくり唇を合わせた。

「今までもこれからもずーっと龍くんだけが大好きだよ」

そう言うと龍くんは自分の左肩に頬を押し付けてしまった。

何かまずかったかと思ったけど目の前にある龍くんの耳がビックリするほど真っ赤に染まっている。

「こんな時にそれは反則だろ」

首まで真っ赤にした龍くんはそう言って反撃に出た。
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