キミの溺愛は甘すぎる。
「ねぇ、しつこい」
「こうでもしないとすぐ鈴華は父さんのところに行くから」
少し拗ねたような表情をする優翔。
不覚にもキュンとしてしまう。
こんな幼い表情したって騙されない。
「そんなの拓哉さんと会いたいんだから別にいいでしょ」
「それがダメなの、俺に構って」
「毎日構ってる!」
「じゃあまだまだ足りない。あまりにも父さんのところに行き過ぎたら俺、嫉妬で何するかわからないよ」
ふと思い出す、先ほどの不機嫌だった優翔の姿。
野性的にも見えて、好き勝手されていた私。
だって男である優翔に敵うわけがないのだ。
今回は宮木さんがいたから、さすがにやりすぎたら止めてくれると思うけれど。
もしふたりきりだったらと思うと、少し怖い。
「だから鈴華、ほどほどにね」
そう言って笑う優翔に、少しだけゾクッとする自分がいた。