キミの溺愛は甘すぎる。
「だって拓哉さんがいいんだもんね、お父さんは黙ってて!」
邪魔しないでほしい。
今はふたりきりのようなものなのである。
するとお父さんは子供のように不貞腐れてしまった。
少しやりすぎたようだけれど。
昔から親バカが過ぎるお父さん。
昔はそれで良かったのだけれど、絶賛思春期中の私にはきつい。
「もー、子供みたいに拗ねないでよ。鈴華も涼雅にひと言くらいかけてあげてもいいんじゃない?」
するといつのまにか居間にお母さんと未央ちゃんもやってきて。
確かにお母さんの言う通り、任務から帰ってきたお父さんに何も言ってあげないのは少しひどいかもしれない。
「お父さん、この一週間お疲れ様!」
ここは素直に反省し、言葉をかける。
それだけでお父さんの顔は嬉しそうなものへと変わった。
単純だな、と思いつつまた拓哉さんに抱きつく。