キミの溺愛は甘すぎる。
「本当だ…でも一緒に帰ってきたんで、多分着替えてるんだと思います」
中学の頃から落ち着いた性格をしていたけれど、急激に背が伸びて高校入学の頃には大人びた雰囲気を纏っていた優翔。
今や拓哉さんやお父さんのように和服を着こなし、大人の仲間入りをしたとすら思える。
毎日が和服ってわけではないけれど、今日は拓哉さんとお父さんが帰ってきたのだ。
きっと同じような和服でやってくるはず。
そう思っていたら、タイミングよく優翔が居間へとやってきて。
「父さん、涼雅さんお疲れ様です」
優翔の静かな声が耳に届く。
思わず振り向けば、やっぱり和服姿の優翔が立っていた。
───かっこいい、と素直に思ってしまう私。