キミの溺愛は甘すぎる。
「お母さん…」
「だから結論は焦らなくていいってことね。
ふたりはふたりのペースで良いんじゃない?
優翔もそれをちゃんとわかってる」
切なげな瞳を見せたのはほんの一瞬で、すぐにパッと明るい笑顔を見せるお母さん。
「……うん」
お母さんの言葉に対し、素直に頷いた私。
とにかく焦らず、私は私らしく行こうと思った。
とはいえ少しは背伸びしたいため、今日は頑張って浴衣を着ることにする。
そして部屋を出た後は、お風呂場に向かう私。
いつもは着ない浴衣を前に、少しだけワクワクする気持ちが湧いてきた。
少しは背伸びできたらいいな。
優翔が女として意識してくれたら嬉しいな、と思いながらお風呂へ入った。