キミの溺愛は甘すぎる。

優翔と拓哉さんは違う。
まったく違う。

雰囲気や顔は確かに似ているかもしれないけれど、圧倒的に拓哉さん推しである。



もちろん“好き”の種類は違う。

拓哉さんといる時は落ち着いて、心温まり。
どちらかというと“懐いている”ようなものだ。


逆に優翔といる時は、毎度毎度胸が苦しくなったりと感情の変化が激しく、その上中々素直になれない。


この“差”が何を指すのかということぐらい、もうわかっているけれど。



「拓哉さんのほうが何万倍も良いです！かっこいいし大人だし、優しいしもう本当に素敵な人で…」


少しでも自分の気持ちを周りに読み取ってほしくないため、とにかく拓哉さんへの愛を言葉にした。

もちろん嘘はついていないし、今言ったことはほぼ本心である。


ただ───


“理想”と“現実で恋に落ちる相手”が必ずしも同じではない。