キミの溺愛は甘すぎる。
絶対にいつもと違う格好をしているからだ。
さすがに『ダサい』とは言わないだろうけれど、『似合ってないね』と言われたらどうしようかと不安になる。
だんだん自信が喪失していき、もう一度俯こうとしたその時───
「……っ」
突然伸びてきた優翔の手。
そっと頬に添えられる。
急に触れてくるものだから、思わず肩がビクッと跳ねてしまった。
「鈴華」
いつもよりも静かな声。
トーンも落ちている気がする。
「な、何…」
「今からすぐ部屋に戻って」
「え?」
「寄り道なんて一切したらダメだよ、まっすぐ部屋に戻って。あと、俺が来るまで誰にも部屋に入れたらいけないからね」
優翔を見て少しゾクッとしてしまう。
また“危険な彼”が目の前にいる気がした。