キミの溺愛は甘すぎる。



だから彼は“自立するのが早い”だとか“頼ってほしい”だとか言っているのだろう。

“好き”と自覚するまでは、自分から甘える時もあったのだ。


今は恥ずかしくてできないし、なんだか子供に見られてそうで嫌である。



「……ねぇ」
「…………」

「邪魔なんだけど」
「うん」


朝ごはんを済ませた後、残りの準備を終えたけれど。

優翔がまた私の部屋にやってきたかと思えば後ろからぎゅっと抱きついてきたのだ。


「何よ、もう」

こんな密着状態の中、冷静でいられるわけがない。
ドキドキと胸が高鳴る。


そんな内心とは裏腹に呆れたフリをして話してしまう私。

本当にバカだと、あと何回後悔すればいいのだろう。



「鈴華」
「……何」

「父さんみたいになれば、鈴華は俺に懐いてくれる?」


少し不満げな声。

優翔自身ではなく、拓哉さんに懐く私に不服なのだろうか。

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