キミの溺愛は甘すぎる。
「ねぇ、今日はご飯食べるだけ?」
さらに優翔は話を変え、いつもの調子に戻ったから余計に戸惑ってしまう。
「えっと…」
「どうせなら恋人らしいこと、する?」
「……っ、し、したい」
けれど単純な私は、一瞬にして戸惑いが消えてしまった。
私がずっと心で思っていたことを、優翔の口から聞けたからだ。
思わず声が上ずってしまう。
確かに彼は“恋人らしいこと”と言った。
そんなの嬉しいに決まっている。
「じゃあ決まりで。
鈴華の行きたいところに行っていいからね」
上機嫌になった私の頭に手を置いた優翔は、そう言って柔らかな笑みを浮かべた。