キミの溺愛は甘すぎる。
焦る気持ちだけが先行してしまい、慌てて口を開く。
「う、嘘だよ…優翔は気持ち悪くなんかない、から……ごめんなさい。本当はそんなこと微塵も思ってない」
素直に謝るけれど、優翔は許してくれるだろうか。
そう不安に思っていると───
「……ふっ、たまには素直な鈴華もいいね」
落ち込んだ声は何処へやら、今度は満足そうな声へと変わる。
あまりにも切り替えが早過ぎて疑問に思っていたら。
「本当は気持ち悪いじゃなしに、なんて思ってたの?」
わざと耳元で囁いてきて、思わず体がビクッと反応してしまう。
「……っ、騙したな…!」
「騙してない、傷ついたのは本当だよ。
だから訂正し直して」
「なんだこいつって思った!それは本当!」
もちろんこれも嘘。
本当は嬉しくて、“もう優翔を見てるんだ”と思った。