キミの溺愛は甘すぎる。



少しタレ目がちな優しい瞳はきっと、彼のお父さん似だろう。


そんな彼───


神田 優翔(かんだ ゆうと)はなぜか今、私と同じベッドで横になっていた。

さらには抱きしめようとしてきて。



「……っ、な、な、何してるの!?」

慌てて飛び起き、優翔から離れた。



最悪だ。
いつの間に私の部屋に入ってきていたのだ。


「何って鈴華を起こしにきたんだよ」


穏やかな口調のせいで危機感を抱けないけれど。

目の前の男は驚くほど危険であることは十分わかっている。



「こんなの起こすって言わない!」
「朝から荒い言葉遣いの鈴華もかわいいね」


すぐにベッドから降りればよかった。

いつのまにか優翔に掴まれた手首を引っ張られ、彼の元へ倒れ込んでしまったのだ。

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