キミの溺愛は甘すぎる。
「ねぇ鈴華」
まだ満足していなさそうな優翔が笑う。
色っぽく。
「な、何…」
「嫉妬でおかしくなりそうだよ。
この気持ち、家に帰ったら忘れさせてね」
さらには耳元で囁かれ、思わずビクッと体が反応してしまい。
目の前の優翔は危険だった。
あまりにも危ないにおいを漂わせていて。
それなのに“優翔が嫉妬してくれた”という事実を嬉しく思う私は本当に危機感のないバカである。
「鈴華、大好きだよ。
今すぐ食べてしまいたいくらいに」
「……っ、嫌だ」
「ねぇ、今日の夜はどんな風に過ごそうか」
今度は意地悪そうに笑ってくるものだから、きっと弄ばれるのだろうと思ったけれど。
それすらも受け入れてしまいそうになるくらい、幸せな気持ちで溢れている私はきっともう、優翔から逃げられない。
甘い甘い優翔に溺れている私は、すでに彼の溺愛から逃げられないくらいに手遅れな状態であった。
END