キミの溺愛は甘すぎる。




「離してほしい?」

当たり前だ。
迷わず首を縦に頷くけれど。


「ダーメ。
離してあげない」


彼はにこっと楽しそうな笑みを浮かべてきた。
まるで悪魔のような笑い方だ。



限界に達した私は足をバタバタさせたところで、ようやく優翔は私を離してくれた。


「あー!もうなんなのよ!
変態!変な趣味男!」

「鈴華を見てると変なことしたくなるんだ」
「何それ気持ち悪い!」

「はいはい、落ち着こうね」


怒りを爆発させる私の背中に手をまわし、そっと抱き寄せてくる彼。


こうしたら落ち着くとでも思っているのか。


「離して変態!」
「鈴華」

「……っ」


宥めるような声。
まるで私が一方的に怒っているかのようだ。

悪いのは優翔だっていうのに。


けれど思わず口を閉じて黙ってしまう私も私。

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