キミの溺愛は甘すぎる。
「いい子いい子」
「うー…」
「そんな唸らない。
唸るなら俺の指噛んで」
「なっ…!」
何を言っているんだこいつは。
指を噛めって…私を犬扱いしているのだろうか。
「唸ってるってことは威嚇してるんだよね。
だから、はい」
さらに本気で指を出してくるから、本気で噛み付いてやろうかと思ったけれど。
優翔のことだ、なんだか喜びそうな気がして。
首を横に振って拒否をする。
すると小さく笑った彼はまた私を抱き寄せた。
今度は頭を優しく撫でてきて、眠たくなりそうだ。
「ねぇ、子供扱いやめてよ」
「鈴華はかわいい女の子だよ」
だからその“かわいい”が子供扱いされているようで嫌なのだ。
「どうせなら綺麗って言われたい…」
それならちゃんと“女”として見られているような気がするから。