キミの溺愛は甘すぎる。




「敵対視されてるのかな」
「……はぁ」

「えっ、なんでため息つくの」


みっちゃんに先ほどから呆れた表情をされている気がする。

そこまで変な発言をした覚えはないというのに。


「鈴華は疎すぎ」
「は?」

「その見た目のおかげで変な男に捕まらずに済むんだからね。感謝しなよ」

「う、うん?」
「いいから早く買ってこないと売り切れるわよ」

「あ、本当だ!行ってくる」


みっちゃんの言葉にはっとした私は、慌てて財布を手に持ち教室の外へと出る。

少し駆け足で廊下を渡っていると、反対側から男数人と話しながら教室に戻ってくる優翔の姿が見えた。



「あ、鈴華。もしかしてお昼買いに行くの?」
「……っ」


スルーしてくれればいいものの、いちいち私に話しかけてくる優翔。


「そうだけど何?」

「ならちょうどよかった。鈴華のことだから忘れてるだろうなって思って、鈴華の分も買ってきたんだ」


そう言って見せてきたのは、ひとりでは食べきれないであろう多くのパンが入った袋で。

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