キミの溺愛は甘すぎる。



「優翔くんってとっても優しいね」
「本当に!ちゃんと私たちはお金も払うからさ」


やめて。
気安く優翔の名前を呼ばないで。

けれど優翔はその女子ふたりとも面識があるのだろう、少し困ったように笑うだけだった。


そんな様子を見ていた他の男子は戸惑っている様子で、なんとも言えない空気になる。

私がいるからこんな空気になるんだ。


胸がぎゅっと締め付けられ、苦しくなる中私は何も言わずにその場を立ち去る。

そんな中、女子ふたりにクスクス笑われているのがわかった。


少し駆け足で一階に向かう。

ああ、あのふたりのほうが素直でずっと女の子らしくてかわいい。


優翔もきっと私なんかより、あんな子たちのほうがいいことだろう───




「優翔くんの厚意を無駄にするなんてひどいよね」
「雪夜さんと幼なじみってかわいそう、疲れないの?」


クスクスと笑う女子ふたりと同じように彼も笑う。


「俺の鈴華は毎日かわいくて愛しいよ。君たちのおかげで今日は鈴華が素直になるだろうなぁ」


けれどその笑みに少なからずその女子ふたりは、ビクッと肩を震わせていた───

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