キミの溺愛は甘すぎる。
「良かったらどうぞ。
どっち食べたいですか?」
「……いいのか?」
いいのかって、そんな表情されて断るほど鬼ではない。
むしろこんな表情されたら誰だって何か食べるものを与えたくなるだろう。
「あまりお腹空いてないので」
先ほど、優翔に強く当たってしまい。
さらには他の女子との会話から逃げるように立ち去ってしまったのだ。
その後にたくさん食べられるほどの神経をしていないため、買っておきながらひとつは残してしまうだろうと思った。
「じゃあカレーパンのほう」
相変わらず目を輝かせる彼のギャップにやられそうになりながら、カレーパンを渡す。
「ありがとう」
見た目からしてクールなポーカーフェイスだと思っていたけれど、案外そうでもないらしい。
今は幼い子供のような表情をし、ちゃんとお礼も言ってくれたのだ。