キミの溺愛は甘すぎる。
「あ、起きたね。
おはよう鈴華」
にこっと満面の笑みを浮かべられるけれど、それどころじゃない。
今私が掴んでいるのは優翔の手である。
つまり───
「……ゆ、うと」
「ん?どうしたの?」
「さっき、何してた…?」
嫌な予感しかしない。
恐る恐る優翔に聞くと、目を丸くした彼が素直に答えてきた。
「鈴華の唇を指で触ってた。
ふにふにしてて柔らかいね」
さらには言葉を失う私を見てもなお、『かわいいね』と言いながら親指で唇を触ってきた。
一気に恥ずかしくなり、勢いよく顔を背ける。
「あっ、どうして顔背けるの」
「へ、変態!なんで今日も部屋にいるの!?」
昨日も今日も、私のベッドにいて。
いつもどれだけ早く起きているんだ。