キミの溺愛は甘すぎる。



「……何、考えてるんだろう」


日に日に優翔の考えていることがわからなくなるようで、混乱している自分がいる。

昔はお互い無邪気に遊んでいたはずなのに。


私が悪いことをして怒られそうになると、決まって優翔が庇ってくれた。

そんな関係が今は懐かしい。
遠くに感じる優翔の背中。


怖くなっているようにすら感じられる。

確実に次期若頭としての存在に近づいていっているのだ。



「……寂しい、な」

離れていく優翔。
もしかしたら、政略結婚などもあり得る。


後継ぎのためだ、結婚して子供を作ることを必ず求められるだろう。

そうなる前に私が……って思いたいけれど、それを言えるほどの自信はない。

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