I am 吸血鬼。
「なあ、そろそろ王宮に行かないとまずいんじゃねぇか?」
「うん。シャンが戻ってきたら行こうか」
「藍。藍にとって一番大切なものって何?」
「う~ん・・・大切な人の命・・・」
「そっか。・・・お前たまには善いこと言うな!」
藍と莉桜がじゃれていると、部屋をノックする音が響いた。
「リュウ・シルビット。お呼びと伺い参りました」
「入りなさい」
中に入ってきたのは背の高い紫銀の短髪、紫の瞳の男だ。
「久しぶりだな。元気にしていたか?」
藍は破顔する。莉桜も破顔する。
「久しぶり。リュウ、また背伸びた?」
そして、リュウもまた破顔する。
「お久しぶりです。お元気そうでなによりです」
「・・・なんで敬語なんて使ってるんだ?」
莉桜が眉を顰める。
「・・・うるせぇな。今日は父上がこの屋敷にいるんだよ!」
小声で話す。それを聞いた藍と莉桜は納得しつつ溜息を吐く。
「なるほど・・・で、そのお父上殿はどこに?」
藍が聞くと、リュウは小さな声でリビングと呟いた。
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